朝の静かな時間、ブリティッシュショートヘアのこむぎは、ごはんを食べ終えると必ず私のもとにやってきます。「にゃあ、にゃあ」と甘えた声で擦り寄り、撫でてあげると満足そうに目を細めます。そして一定の時間が過ぎると、ふわふわのクッションに向かい、両前足を交互に押し当てながら、喉をゴロゴロと鳴らし始めます。この行動は“ふみふみ”と呼ばれ、子猫のころ母猫のお腹を押して母乳を飲んだ記憶や、本能的な安心行動と考えられています。今回は、こむぎの甘えん坊な朝のルーティンを通して、この“ふみふみ”の意味と猫の心理を掘り下げてみます。
- 「ふみふみとは?」定義と呼び方の違い
- 子猫時代の記憶説と安心行動説
- 甘える猫の性格傾向とブリティッシュショートヘアの特徴
- 飼い主ができる“ふみふみ”タイムのサポート方法
【ふみふみとは?】前足でクッションを押す不思議な行動とその意味
「ふみふみ」とは、猫が柔らかい物(クッション、毛布、人間の腕やお腹など)に前足を交互に押し当てる行動のことを指します。
その際、猫はしばしば
- 爪を軽く出し入れする
- 喉をゴロゴロ鳴らす
- うっとりした表情を見せる
といった特徴的な様子を見せます。
行動の時間は数秒で終わることもあれば、数分以上続くこともあります。こむぎの場合は1〜2分ほど、目を細めながら静かに続けることが多いです。こむぎは3分近くやってます。
呼び方の違いと地域差
日本では「ふみふみ」という擬態語が広く使われますが、他にもさまざまな呼び方があります。
- こねこね(パン生地をこねる動作に似ていることから)
- もみもみ
- ミルク踏み(母乳を飲むときの動作に由来)
- 家では自然とふみふみしてるという言葉を自然に使いました。
英語圏では “kneading(ニーディング)” と呼ばれます。これはパン生地をこねる動作と同じ単語で、世界的にも猫のこの行動は共通して認識されています。
猫がふみふみをする理由
猫がふみふみをする理由には諸説ありますが、大きく分けて次の5つが有力です。
1. 子猫時代の名残(母乳を飲む動作)
子猫は母猫の乳首周辺を前足で押すことで母乳の出を促します。この行動が成猫になっても残り、安心感や愛情表現の一環として表れると考えられています。
2. 安心・リラックスのサイン
ふみふみは、副交感神経が優位なとき(リラックス状態)に出やすい行動です。飼い主の膝や柔らかい毛布は、母猫のぬくもりを連想させ、安心感を与えます。
3. 縄張りのマーキング
猫の前足には「臭腺」があり、ふみふみで匂いをつけて縄張りを主張している可能性もあります。特に布製品や飼い主の服の上でよく見られる行動です。
4. 寝床を整える本能
野生時代の猫は、草や葉の上で寝床を整えるために前足で踏み固めていました。その名残で、快適な場所を確保するためにふみふみをすることがあります。
5. 発情期の行動(稀なケース)
特にメス猫や未去勢のオス猫が、発情期にふみふみを伴う行動を見せる場合があります。この場合は他の発情サインと一緒に見られることが多いです。
ふみふみが見られるタイミング
- ごはんを食べたあと
- 飼い主と触れ合った直後
- 就寝前やくつろいでいるとき
- 冷暖房で快適な室温になったとき
こむぎの場合は、朝食後の甘えタイムと、夜寝る前が定番です。特に冬場は毛布やクッションに向かって長めのふみふみをする傾向があります。
下の動画は食後のこむぎです。喉をゴロゴロ鳴らせて寄ってきます。
飼い主が注意すべきこと
ふみふみは可愛らしい行動ですが、爪が伸びていると布地が傷んだり、人間の肌に引っかかることがあります。あとやってる時は近寄らないでそのままにしてあげてます。
- 定期的な爪切り
- 丈夫なカバーや毛布の使用
- ふみふみ専用のクッションを用意する
といった対策がおすすめです。
また、急にふみふみの頻度が減ったり、やらなくなった場合は、体調変化やストレスのサインの可能性もあるため観察が必要です。
まとめ
ふみふみは、猫にとって安心や愛情を表す大切な行動です。
- 定義:前足を交互に押し当てる猫特有の仕草
- 呼び方:ふみふみ、もみもみ、kneadingなど地域や文化で違いあり
- 主な理由:子猫時代の名残、安心サイン、縄張りマーキング、寝床作り、発情期行動など
- 飼い主ポイント:安心してできる環境づくりと安全対策
ブリティッシュショートヘアのこむぎも、毎朝のふみふみで私に「今日も安心してるよ」と伝えてくれているように感じます。ふみふみは単なる可愛い仕草ではなく、猫の心の状態や過去の記憶を映し出す、小さなメッセージなのです。